クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を運営する株式会社アンドパッド(本社:東京都千代田区、代表取締役:稲田武夫、以下アンドパッド)はこの度、国土交通省が進める「令和3年度BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業(先導事業者型)※1」において、「木造住宅における、BIMとクラウドサービスを用いたCDE※2とECI※3の効果検証・課題分析」が採択されましたことをお知らせいたします。
■ 本プロジェクトの背景
現在、BIMの利活用においては、大手ゼネコンや組織設計事務所など一部企業の大規模物件だけに利用が限られた状況になっています。昨年度の本事業においても、木造や住宅は検証事例として取り上げられていません。しかし、近年、住宅・非住宅を問わずBIMの利活用について、需要が高まっており、木造建築・住宅におけるBIM活用の効果を検証する必要があります。
■ 本プロジェクトの目的
上記のような課題に向けて、プロジェクト「ANDPAD HOUSE」と題し、アンドパッドが施主となり実験住宅の設計・施工を通して「数年先に実現する設計・施工のDX」を先行して実証、また、この知見を内外に効果的に共有するため、「先導型事業」に応募し、この度採択されました。
本件を通して、BIMとANDPADが効果的に設計・施工プロセスのDXに寄与することを実例をもって検証、木造建築・住宅におけるBIM活用の効果と知見を深め、共有していくことを目指します。
■ 本プロジェクトの検証内容
本プロジェクトでは、2つの検証を予定しています。
1つ目は、ANDPADをプロジェクト管理プラットフォームとして用いることで、BIMデータだけでなくプロジェクトに関わる全ての共有可能なデータについて、CDE(Common Data Environment)を実現します。これに合わせANDPAD図面やチャットを用いることで、リモートワークにおける生産性を高めることを目指します。
2つ目は、施工者である株式会社長谷萬が基本計画段階からプロジェクトに参画することで、施工・製造の効率化を図るECI(Early Contractor Involvement)の形式を採用しています。これにより、着工前から工場で製造を進めることで工期の短縮を図り、また同時にANDPAD受発注を活用することで従来のECIを超える生産性向上を目指します。
以上2点を検証することで、複数のプロジェクト参加者が効率的に情報をコミュニケーションするという、BIM単体では達成しにくかった部分をANDAPDがカバーすることで、総合的な生産性向上ができることを示します。
■ 本プロジェクトの概要
プロジェクトは以下のような概要・メンバーで2021年1月より基本計画をスタートし、5月現在実施設計を行い、年内竣工予定しています。
▶︎プロジェクト概要
名称:ANDPAD HOUSE
敷地:神奈川県足柄下郡湯河原町
敷地面積:約140㎡
建築面積:82.54 ㎡
延べ床面積:164.69 ㎡
▶︎プロジェクトメンバー
プロジェクトマネージャー:ANDPAD ZERO
意匠設計者:株式会社小林・槇デザインワークショップ(略称 KMDW)
構造設計者:株式会社DN-Archi
施工者:株式会社長谷川萬治商店
プレカット工場:株式会社長谷萬
BIMマネージャー:慶応義塾大学SFC研究所
▶︎プロジェクト・パートナーの募集
アンドパッドでは本件のように先進的なテクノロジーをANDPADと合わせて活用し、生産性向上に取り組むパートナーを継続的に募集しています。ご興味をお持ちの企業様は是非お声がけ下さい。
▶︎お問い合わせ先
株式会社アンドパッド ANDPAD ZERO
https://andpad.co.jp/contact/
■ ANDPAD ZEROとは
ANDPAD ZEROはアンドパッドにおける、新規事業開発組織です。BIM、IoT、AIなど建設業界における先端テクノロジーを用い、アンドパッドの新事業や新プロダクトを開発しています。元スーパーゼネコン現場監督、BIMスペシャリスト、システム開発コンサルタントなど、多彩なメンバーで構成された組織です。現在、住宅・非住宅業界内外の様々なパートナーとプロジェクトを進行中です。
ANDPAD ZERO
https://andpad.co.jp/zero/
※1
国土交通省では、建築プロジェクトでBIM導入のメリット等の検証を試行的に行う民間事業者等を支援する「BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」の提案募集を行いました。建築BIM推進会議で策定された「建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第1版)」(令和2年3月)に沿って、設計・施工等のプロセスを横断してBIMを活用する建築プロジェクトにおける、BIM導入の効果検証や課題分析等を試行的に行う取組について、優れた提案を行った者に対し、国が当該検証等に要する費用を補助するものです。
詳細については、以下URLをご参照ください。(国土交通省HP)
https://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000881.html
※2 CDE Common Data Environmentの略。工事、運営や管理に関わる数多くの人たちが、情報を受け渡したり共有したりするための環境。
※3 ECI Early Contractor Involvement(方式)の略。プロジェクトの設計段階より施工者(建設会社)の技術力を設計内容に反映させることで「コスト縮減」や「工期短縮」を目的とした方式。